学校給食を提供する覚書を締結した木幡浩市長(右)と西内みなみ理事長=福島市五老内町の市役所で2025年10月8日午前11時31分、錦織祐一撮影

 福島市は8日、2026年4月に男女共学の小中一貫校として開校する桜の聖母学院小・中(同市花園町)に学校給食を提供する覚書を同校と締結した。自治体の給食施設が私立校に給食を提供するのは東京都多摩市、長野市などで行われているが全国的にも珍しく、県内では初めて。

 桜の聖母は、県内唯一の女子中学校だった同中(同市野田町)を短大などが集積する同市花園町に移転し、小中一貫校の校舎を新築する。保護者からは長年、学校給食導入の要望が寄せられており、自校方式も検討したが財政面から断念した。

 市は20年から子育て支援策の一環で、食育や地産地消も目指す「福島型給食推進事業」として小中学校の給食費を助成している。桜の聖母から協力を打診され「私立を含めた地域の教育力向上につながる」(木幡浩市長)と、この事業の対象とすることを決めた。

 8日に市役所で覚書を締結した桜の聖母の西内みなみ理事長は「特に近年は共働き世帯が増えて弁当作りの負担が重くなっており、学校給食は悲願だったので感謝の気持ちでいっぱい」と述べた。木幡市長は「子育てや教育で選ばれる街を目指しており、共に尽力したい」と応えた。

 桜の聖母短大は食物栄養専攻を設置し、学生らは地元スーパーと弁当を商品開発するなどしている。卒業生に市の学校給食センターの管理栄養士もおり、木幡市長はこれを機に食育のメニュー開発など連携を深める考えも示した。【錦織祐一】

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