居酒屋でビールで乾杯する人ら

 若者らに「アルコール離れ」が広がっているとされるが、飲み会の会計の際に悩ましいのが、お酒を飲む人と飲まない人との間で、どう負担しあえば公平かという問題だ。

 リクルートの「ホットペッパーグルメ外食総研」が行った意識調査では、飲まない人の意外な思いも明らかになった。飲まない人が「割り勘負け」しない、理想の会計はあるのか?

 調査は今年6月、全国の20~60代の男女1035人を対象に、インターネット上で実施した。

 お酒を飲む頻度を聞いたところ、「週5日以上」と答えた人が19・3%いた一方、「体質的に飲めない」と「体質的に飲めるが、飲まないと決めている」を合わせた「全く飲まない人」は27・6%に上った。

 その間は、「週に3~4日」6・5%▽「週に1~2日」14・8%▽「月に1~3日」13・8%▽「年に数回程度」10・5%▽「それ以下の頻度」7・5%――だった。

割り勘が理想、でも損している?

 飲み会にお酒を飲む人と飲まない人がいた場合、会計はどうしているのか? 理想の負担の仕方を聞いたところ、飲む人と飲まない人の間に意識の違いが見られた。

飲み会の会計は、お酒を飲んだ人と飲まなかった人で、どう分けるべきか(写真はイメージ)=ゲッティ

 お酒を飲む人が選んだ理想は「飲んだ人が多めに払う(ざっくり調整)」(45・7%)がトップで、2番目の「食事は割り勘、お酒代は飲んだ人が分担」(25・2%)に大きく差をつけた。

 これに対し、お酒を飲まない人・飲めない人は「飲む・飲まないに関係なく、完全に割り勘にする」(33・3%)が最多で、続いて「食事は割り勘、お酒代は飲んだ人が分担」(26・0%)と「飲んだ人が多めに払う(ざっくり調整)」(同)が並んだ。

 飲まない人らの間で「完全割り勘」が理想のトップに上がったのは意外に思えるが、「割り勘負け」の現実には複雑な感情も抱いているようだ。

 お酒を飲まない人・飲めない人が飲み会でどんなことを感じたかを複数回答で聞いたところ、ネガティブな感情を抱いたことがある人が42・3%に上った。

 その内訳は、「注文金額が少ないことで、割り勘の場で損しているように感じる」15・7%▽「お酒を勧められるのがストレスに感じる」13・7%▽「気まずいと感じることがある」11・5%――などだった。

みんなが楽しめる飲み会にするには

 一方、飲み会で気を配っていることを、お酒を飲む人に複数回答で尋ねたところ、「食事メニューが豊富なお店にする」44・6%▽「割り勘など会計で気を使う」23・7%▽「お酒を飲まない人が好きな料理のお店にする」22・2%▽「ノンアルコールドリンクが充実しているお店にする」21・6%――の順だった。

 ホットペッパーグルメ外食総研の田中直樹所長は、飲み会の会計は割り勘負けで損をした気分になる人もいれば、お金の負担を公平にしてほしいと思う人もいるとして、「決まった解決策はないので、参加者が話し合ってみんなが楽しめる場になるよう考えてみてはどうでしょう」としている。【太田敦子】

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