欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は14日、欧州に本拠を置く高級ファッションブランドのグッチ、クロエ、ロエベに対し、EU競争法(独占禁止法)違反の疑いで、総額1億5740万ユーロ(約276億円)の制裁金を科すと発表した。
発表によると、3ブランドは2015~23年の間、商品を取り扱う小売業者に対し、ブランド側が提示した推奨小売価格や最大割引率からの逸脱、セール期間を外れた販売を禁止していた。また、一時的に、小売業者による割引提供を禁止し、自社の直販と同じ価格や販売条件にそろえるよう強制していた。
価格の強制は、衣料品からバッグなどの皮革製品、アクセサリーに至るまでほぼすべての商品に及んでいた。EU加盟国にノルウェーなどを加えた「欧州経済領域(EEA)」全域のオンラインと実店舗の小売業者に行われていたといい、欧州委は「価格をつり上げ、消費者の選択肢を狭めた」と認定した。
制裁金の内訳はグッチが最も高く、1億1970万ユーロ(約210億円)を占めた。3ブランドはいずれも欧州委の調査に協力的だったとして、15~50%の減額措置が適用された。
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