
世界最大級の両生類・オオサンショウウオ(国特別天然記念物)の研究者や生息地の関係者、ファンが集まる「日本オオサンショウウオの会」の第20回大会が18日、名張市松崎町のadsホールで始まった。オオサンショウウオを通して自然環境を考える大会で、調査報告や、お笑いコンビ「ココリコ」の田中直樹さんを交えたパネルディスカッションなどがあった。【久木田照子】
年一回、各地で開かれ、景勝地・赤目四十八滝渓谷周辺に生息地がある名張での開催は2007年に続く2回目。市などでつくる実行委員会などが主催し、同会が共催。19日まで開かれ、初日は約650人が集まった。
同会の清水善吉会長(67)=松阪市=が基調講演し、「文化財保護法では国宝と同じ位置づけ」と紹介した。1990年代からの名張での調査では在来種とは異なる色の個体の存在が浮かび、DNA鑑定で外来種(チュウゴクオオサンショウウオ)との交雑種と判明したといい、「早く成長する交雑種が在来種を圧迫し、絶滅に追い込む」と指摘。「守るためには知る、知ってもらう、ルールを決めることが大切」と訴えた。また、名張市職員の川内彬宏さん(39)もこれまでの調査について報告した。
パネルディスカッションでは、生き物好きで知られる田中さんが、北川裕之市長や専門家らと語り合った。田中さんは名張市の生息地・赤目四十八滝渓谷を訪れた時、「岩と思って近づいて見ると、オオサンショウウオだった。あのサイズ感で岩に擬態するという、生物としての魅力がある」と振り返った。
また、市立錦生赤目小学校5年生23人が2024年春に始めた、川での観察を含む学習について発表した。北森大晴さん(10)は「身近な場所にいることに驚いた。オオサンショウウオの大切さを伝えたい」と話した。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。