
福岡市東区の県立香椎高(村嶋貴雄校長)で大学入試や就職試験が本格化する3年生を激励しようと「合格祈願カツカレー」が振る舞われた。保護者が企画し、卒業生が営む学食が協力した。験担ぎのカレーを食べた3年生は、それぞれの春をつかもうと誓いを新たにしていた。
9月の体育祭が終わり、一連の学校行事を引っ張ってきた3年生をねぎらい、これからの進路実現を応援したいと香椎高のPTAが企画。「華麗に勝つ」を願ってカツカレーを学食に相談したところ、学食側が「ウイン(勝つ)」にちなんでウインナーと、チョコレート菓子の「キットカット」を追加したメニューが実現した。

学食を営むのは同校の卒業生、山下大徳さん(55)。2023年度末に前の学食が経営難で閉鎖されると聞き、「懐かしい母校を助けたい」と当時営業していたラーメン店をたたんで、24年度から後輩のために腕を振るっている。キットカットには学食のスタッフが一つ一つに応援メッセージを書き込んだ。
382人いる3年生は10クラスあり、カツカレーは9月中旬から1クラスごと昼食に提供。最終日となった10月7日は9組の38人が学食でカレーを受け取り、体育館会議室に集まって「いただきます」と手を合わせた。
大学進学を目指し、将来は新商品を企画する仕事がしたいと夢を描く佐々木寛太郎さん(17)は「思いが伝わってくるカレー。この味を忘れずに頑張りたい」と大きなカツをほおばっていた。
PTAの西川紀和視(きわみ)会長は「子どもたちの記憶に残ればと初めて企画した」と話し、「カレーを食べた生徒が家に帰って『食べたよ』と親に話し、家庭でもコミュニケーションが生まれている。厳しい競争が待っているが、それぞれが目指す進路に進んでほしい」とエールを送った。【松本光央】
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