
必要な栄養素を効率的に摂取できるとうたう「完全栄養食」の開発・販売を手がけるベースフード(東京)は22日、33種類の栄養素を盛り込んだカップラーメン「BASE RAMEN」を発売する。
価格は442円。公式オンラインショップや、EC(電子商取引)サイトで順次販売される。
担当者は「コンセプトは、毎日でも飽きずに食べられること。昼食はもちろん、夜食としても罪悪感なく食べられる商品になるかと思う」と話す。
塩分控えめ「全粒粉の風味生かした」
ベースフードの完全栄養食では、焼きそばタイプがすでに販売されているが、汁のあるラーメンタイプの発売は初めて。
「BASE RAMEN」は、鶏ガラ醬油(しょうゆ)とみその2種類。細めのノンフライ麺で、いずれもかやくにネギとコーンを入れた。鶏ガラ醬油は超特選醬油と利尻昆布のだしをつかった鶏ガラスープ、みそは2種類の信州みそをブレンドしたという。

鶏ガラ醬油は299キロカロリー、みそは330キロカロリー。塩分は他のカップ麺より控えめで、麺とかやく、スープを合わせて計4・4グラムとなっている。
担当者は「麺に全粒粉を使って風味を生かすことで塩分が抑えられた。一般的な即席カップ麺に比べ、鶏ガラ醬油は約30%、みそは約35%オフしている」と話す。
市場拡大「現代人のニーズにマッチ」
「完全栄養食」は、食品大手なども参入して市場の成長が続くが、決まった定義はない。
ベースフードは18歳以上の日本人が1日に摂取するのが望ましい栄養素の摂取量の目安を示した消費者庁の「栄養素等表示基準値」を参考に商品展開している。

同社は、1日の食事で必要な33種類の栄養素のうち、過剰摂取となりやすい脂質や炭水化物などを除く29種類について1日の必要量の3分の1以上含まれているものを完全栄養食と定義。今回発売されるカップ麺の場合、2個で1日に必要な栄養素の3分の1をまかなえる。
調査会社の富士経済によると、完全栄養食の市場は2019年は14億円で、当時は通信販売を中心とした狭い市場だった。しかし新型コロナウイルス禍で需要が高まり、21年以降ベースフードや日清食品など企業が商品開発に注力したことで、24年には291億円(予測)まで成長した。
富士経済は、独身世帯や共働き世帯の増加が需要獲得につながっているとし「栄養摂取、ダイエット、時短など現代人のニーズを捉えて今後も市場は拡大を続ける」との見通しを示している。【松山文音】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。