「いつも笑顔で」と呼びかける田口壮さん=兵庫県西宮市役所で2025年10月8日午後0時28分、関谷徳撮影

 元プロ野球選手の田口壮さん(56)が、1日付で兵庫県西宮市の教育委員に就任した。「僕もかつて宮っ子(西宮の子ども)でした。西宮に育てていただいたご恩を、周りの方々のお力をお借りしながら少しでも返していきたいと思います」と話す。

 市立平木小、平木中、県立西宮北高から関西学院大に進学。1992年、ドラフト1位でプロ野球・オリックスに入団し、好守巧打の外野手として活躍した。2002年から米大リーグ・カージナルスなどでもプレーし、10年にオリックスに復帰。12年に現役引退後、2軍監督などを務めた。

 就任後初の教育委員会定例会では、26年9月から市立中学校の部活動を地域団体に移行する「プレみや」について意見交換。「学校施設の利用はそのままできるのか」「活動場所に伴う学校間の移動はどのようにするのか」と素朴な疑問を投げかけた。「子どもたちがスムーズに移行できる仕組み作りが大事」と話し、子ども視点の立場を強調した。

 委員会後、「頭の中は“?”だらけで、ものすごく緊張した。でも、常に“?”を付けながら、子どもたちに向き合いながらいろいろな声を聞いていきたい」と感想を語った。

 石井登志郎市長からは「西宮の子どもたちのために広い視野で西宮の教育について『教育』してもらいたい」と請われたという。

 阪神大震災時の1995年には「がんばろう神戸」をキャッチフレーズにリーグ優勝、翌96年には日本一に輝き、大きく貢献した。その時の気持ちと、教育委員としての共通のモチベーションは「子どもたちに笑顔になってほしい」の一心。「宮っ子は元気です。あいさつしてくれるし、元気で笑顔」と相好を崩す。

 日々のトレーニングはランニングを中心にウエートトレーニングは欠かさない。ラインで動画を送ってくる子どもたちもいるようで、「教育委員という立場に関係なく、アドバイスもしていきたい」と気遣い、「がんばろう宮っ子」と呼びかける。【関谷徳】

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