日本一高い約330メートルのビルがある複合施設「麻布台ヒルズ」(東京都港区)で、工事が遅れていた高層住居棟「レジデンスB」が29日に竣工(しゅんこう)し、入居者への引き渡しが始まる。開業から2年、約8.1ヘクタールの新しい街がようやく完成した。
麻布台ヒルズは、大手ディベロッパーの森ビルが主導した再開発計画で、1989年に街づくり協議会が設立された。広場を中心に3棟の超高層ビルと低層の商業施設を設け、協議会設立から30年以上かけて2023年11月に開業した。
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ただ、970戸の住宅が入る地上64階建てのレジデンスBは、当初23年3月を予定していた竣工が遅れていた。同社によると、地下鉄に隣接しているなど難しい工事だったことに加え、コロナ禍や施工業者の計画見直しが影響したという。
レジデンスBには、300人近くいる再開発地区の土地権利者の多くが入居する。権利者は29日に鍵を受け取り、順次引っ越しを進める。権利者でつくる再開発組合の板垣浩理事長(62)は「不安もあったが(完成した今は)すごいの一言。これから楽しんで住んでいきたい」と話す。
再開発エリア全体を東西につなげる地下通路も、同棟の地下部分が完成したことで貫通。東京メトロ南北線の六本木一丁目駅から日比谷線の神谷町駅まで地上に出ずに歩けるようになった。森ビルの担当者は「建物が完成して終わりではなく、引き続き皆様とこの街を育んでいきたい」と話している。
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