全国でクマの被害が相次いでいることを受け、文部科学省は30日、環境省と連名で、クマ被害から子どもたちを守るため、学校や登下校中の安全確保を求める事務連絡を全国の教育委員会などに通知した。クマが嫌う音を出せる空のペットボトルを携行するなど、北海道や東北で採用されているクマ対策も周知した。
通知は、必要に応じた通学路の点検や変更、連絡体制の構築などの検討を求める内容。地域の実情に合わせ、学校が作成する危機管理マニュアルにクマ対策を記載することも要請した。
環境省や北海道、岩手県花巻市、秋田県男鹿市による「クマ出没対応マニュアル」も添付し、「通学路に出没する危険性がある場合は保護者による送迎や臨時休業、自宅でのオンライン授業を検討する」「(登下校中に)食べ物を持ち歩かない」「足跡を見つけたらその場を離れる」といった対策を案内した。
有効な携行品として「クマ鈴」「自転車のベル」のほか、クマが「パコパコ」という音を嫌うとし「空のペット」を紹介している。
クマの出没は各地で相次ぎ、人的被害も続出している。学校施設で目撃された事例もあり、各地の学校などが対応に追われている。
10月29日には山形県南陽市の公立小付近にクマが出没。防犯カメラには校舎の出入り口にクマが体当たりする様子が映っていた。同じ日には山形市の私立高の野球部屋内練習場で1頭が目撃され、部活動が休止された。盛岡市の岩手大構内ではクマが28、29日の2日間にわたって目撃され、臨時休講となった。【斎藤文太郎】
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