大阪・関西万博が閉幕した翌日、通勤で使う地下鉄の車両が普段よりすいていました。当たり前の日常になっていた万博がもうそこにはない――。184日間の祝祭が終わりを告げたことを実感しました。
閉幕からおよそ3週間。大阪の街では「万博ロス」を嘆く声を今も耳にします。日本経済新聞の記者が会場内の楽しみ方をお届けしてきた「『万博ガチ勢』記者のおすすめ」。閉幕後の夢洲(ゆめしま)はどうなっているのか、どうなっていくのか。大阪編集ユニット総合編集グループの石川雄輝がお伝えします。
寂しさは走り抜いたことの裏返し

封鎖、撤去、搬出――。パビリオンの撤収工事はこれから本格化していきます。会場跡地は更地にして、2028年2月には日本国際博覧会協会から大阪市に戻される予定です。「祭りのあとの寂しさは、走り抜いたことの裏返しでもある」。閉幕後の会場を訪ねた編集委員の言葉です。
変わりゆく人工島の姿、捉え続け

「見渡す限りの更地のどこを撮れば良いのか判然とせず、無心でシャッターを切った」。開幕3年前に会場予定地を訪れた写真記者は振り返ります。変わりゆく夢洲の姿を捉え続けた日経のフォトグラファーたち。美しい写真とともに、万博とは何だったのか、問い直します。
進む再開発、夢洲はさらに進化

撤収が進む万博跡地。26年春ごろには会場中心部の開発公募が始まります。隣接地で進んでいるのが統合型リゾート(IR)施設の工事。カジノや高級ホテル、国際会議場などを整備し、鉄道アクセスもJR西日本と京阪電気鉄道の2路線を延伸する方向で検討されています。
グッズやグルメ、閉幕後も会場外で

会期後半に向けて人気が一段と高まったミャクミャクなどの公式グッズ。万博協会は販売期間を26年3月末まで延長しました。海外館グルメの街なかへの出店や、一部のパビリオンの移築も決まりました。「万博ロス」のみなさんも寂しさが少し和らぐかもしれませんね。
大屋根リングの一部を保存することが決まり、ミャクミャクも一躍人気者になりました。万博のレガシー(遺産)を生かす取り組みが進み、夢洲は次なる進化へと動き出しています。関係者も含めた来場者のべ2900万人の記憶とともに、私たちが体験したワクワクが長く語り継がれていくことを願っています。
(石川雄輝)
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