福岡県飯塚市の私立飯塚高校(778人)が、今年度から生徒の主体性を育む活動に取り組んでいる。期間限定で服装の自由を認めたり、東京からプロのスタイリストや美容師を招いたりして自己表現を考えるイベントを企画。生徒の評判も上々だ。生徒一人一人に自分らしさについて考える機会にしてもらうことが狙い。
飯塚高校は、個性を大切にするなどの教育目標を掲げており、今年度から具体的な取り組みを開始。化粧やヘアアレンジを楽しむ「メイクアップデイ(5月9日)」、私服の着用を認める「フリーファッションウィーク(5月21~23日)」、10月1日には「髪型(がた)を起点に自己表現を考えるワークショップ」を企画した。学校側としては、こうした取り組みを通し、将来的にヘアスタイルや服装を定める校則についても考える契機にしたいという。
ワークショップは、飯塚高校と化粧品メーカーのマンダム(本社・大阪市)が実施。同社は、競技でベストパフォーマンスを引き出すために自分らしい髪形を提供する活動「部活ヘアサロン」を全国で実施。同校サッカー部がこの活動を利用していることが契機となった。
秋休み期間の1日に開かれたワークショップ。1~3年の生徒計40人が8グループに分かれて外見が周囲に与える印象について考えた。さらに、プロのファッションスタイリストや美容師から助言を受けながら、1年後の自分の理想像や、自身のキャッチコピーといった意見をまとめた。3年の江島龍之介さん(17)は「音楽界のスティーブ・ジョブズ」と自身を表現。「将来、プロの音楽家になる。カリスマ性をそなえ、トークスキルの高い存在になりたい」と語った。
ワークショップの企画担当で同校サッカー部顧問、中辻喜敬さん(40)は「生徒一人一人の個性を認め合い、自身の個性を社会に役立てるようにしてほしい」と話す。【岡村崇】
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