千葉県立安房高校の生徒にあいさつする熊谷俊人知事(中央)。特別授業では県内の南北格差などが話題になった=同県館山市で2025年11月17日、竹内良和撮影

 「南房総地域のこれから」をテーマに千葉県立安房高校(館山市、早川貴英校長)3年生と熊谷俊人知事が語り合う特別授業が17日、同校であった。安房高がある県南部は、人口減や少子高齢化が進んでおり、県北部との格差などが話題になった。

 特別授業は「総合的な探究の時間」にあり、冒頭、生徒たちは教育環境における県内の南北格差について、プレゼンテーションをした。ある男子生徒は「北はうらやましい。東京に近くて人口が多く、発展している」と話し、県南部は私立高校などの少なさから進学の選択肢が限られ、塾や予備校の数も乏しいと訴えた。

 老朽化した学校施設の改善も提案。トイレの悪臭が廊下まで漂ったり、夏にエアコンが故障して体調不良で早退者が続出したりしたなどと訴えた。

 これに対し、熊谷知事は「できる限り、この地域で暮らしている人たちが不便を感じないようにしたい」と答えた。

 また、生徒から書店や図書館の充実度が低く「勉強をするための本を探す場が少ない」と指摘されたことについて、熊谷知事は「そういうものがここで成り立つような市場を作らなければいけない」と説明した。県立学校の老朽化については「待ったなしの状況。予算を大幅に増やし、急ピッチで学ぶ環境の整備をしっかりやっていきたい」と話した。

 参加した生徒34人の一人、野口大介さん(18)は取材に「南から活性化する政策をやっていただくことで、千葉全体が盛り上がり、私たちも自分たちの街を盛り上げようという気になるのかなと思います」と話した。

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