検査大手の富士レビオが承認申請した早期のアルツハイマー型認知症などを診断する血液検査薬=同社提供

 検査大手の富士レビオ(東京都)は25日、早期のアルツハイマー型認知症などの診断を補助する血液検査薬の製造販売の承認を厚生労働省に申請した。血液検査は従来の検査に比べて体への負担が小さく、検査費も抑えられる。早い段階からの診断や治療につながる可能性がある。

 アルツハイマー病は「アミロイドベータ(Aβ)」や「タウ」というたんぱく質が脳内にたまって神経細胞が壊れ、認知機能が低下していく病気とされる。

 富士レビオの検査薬は、血液中のAβと脳の神経細胞から漏れ出すタウの量や比率を解析し、異常なたまり具合を高精度に推定する。

 米国では5月、認知機能低下の兆候や症状がある50歳以上を対象に、補助的な診断薬として初めて承認された。インドでも6月に承認されたという。

 現在はアミロイドPET(陽電子放射断層撮影)検査や脳脊髄(せきずい)液を採取する検査などで診ている。ただPET検査は3割負担で4万~7万円程度と高額で、脳脊髄液検査は背中の腰部分に深く針を刺すなど体への負担が課題となっている。【中村好見】

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