日本で初めて人工ふ化で生まれたトキ「優優」=新潟県の佐渡トキ保護センターで1999年8月6日午前11時15分ごろ、塩入正夫撮影

 環境省は26日、1999年に国内で初めて人工ふ化で生まれた国の特別天然記念物トキの「優優(ゆうゆう)」が新潟県佐渡市の佐渡トキ保護センターで死んだと発表した。雄の26歳で、人間に当てはめると80歳以上の高齢だった。

 同省野生生物課によると24日午後3時すぎ、同センターの飼育室で死んでいるのを職員が発見した。22日ごろから餌をあまり食べなくなったという。鳥インフルエンザウイルス検査の結果は陰性で、衝突した痕跡などもなかったという。今後、県中央家畜保健衛生所で死因などを調べる。

 優優は99年5月、中国から贈られた雄の「友友(ヨウヨウ)」と雌の「洋洋(ヤンヤン)」のペアから人工繁殖によって生まれた。

 「ニッポニア・ニッポン」の学名を持つトキだが、日本生まれの野生のトキは2003年に絶滅。優優を皮切りに中国産ペアで人工繁殖させて個体を増やし、08年からは佐渡島で野生への放鳥を始めた。同省によると、国内の野生のトキは24年12月時点で推定576羽。同省は26年に本州で初となる石川県・能登半島地域での放鳥を計画している。【垂水友里香】

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