自作した自動車の燃費性能を競う大会で、県立下総高校(成田市)の自動車部が高校生クラス9連覇を成し遂げた。2位に大差を付けて、大学生らのクラスをしのぎ、メーカーなどが参加する一般クラスに次ぐ好成績を上げた。
下総高校は10月に栃木県茂木町で開かれた「本田宗一郎杯Hondaエコマイレッジチャレンジ全国大会」に参加。51チームがエントリーした高校生対象の「グループⅡ」というクラスに出場した。
レースでは、排気量50㏄未満の1人乗りの自作車で、コースを平均時速25キロ以上で7周(約16キロ)する。ハイオクガソリンの消費量を計算し、1リットル当たりの走行距離を競うという内容だ。
下総高校は長さ298センチ、幅64センチ、高さ60センチ、重さ約40キロの3輪の車両で出場した。空気の抵抗を少なくするため、ドライバーはほぼあおむけでハンドルを握り、その上から流線型の車体上部をかぶせる。
走行時は少しでもガソリンを消費しないよう、エンジンをかけっ放しにせず、いったん切って惰性で進む。速度が落ちてきた頃合いを見計らって再びエンジンをかけるという動作を繰り返す。完全に止まってしまうと再び速度を上げるために多くのガソリンを消費することになるため、タイミング良くエンジンをかけ直して効率的に走れるかが鍵となる。
チームのメンバーはデータ管理、通信、ボディー、エンジンなどと役割を分担した。走行中は1周ごとのタイムやコース取りなどを無線でドライバーに連絡し、「ちょっと速い。次の1周は速度を0・5キロ落として」などと助言。それを受けてドライバーは速度やコースを微調整しながら走り続けた。
「ガソリンの消費量が一滴でも少なくなるよう、エンジンをかけるタイミングといかにして最短距離を行くかを考えながら走った」。度胸の良さと体重の軽さから昨年に続いてドライバーを務めた2年の濃沼優羽(ゆう)さん(17)は振り返った。
競技の結果、チームは1リットル当たりの走行距離が1831キロ(平均時速26・88キロ)と、2位に約700キロの差をつけて優勝した。大学生らのクラスの優勝記録(1476キロ)を大きく上回り、一般クラス(2565キロ)に次ぐ成績だ。各周回のタイム差が最も小さいチームに送られるラップタイム賞も、昨年に続いて受賞した。
また、下総高校の別チームは、植物が原料で二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロのカーボンニュートラル燃料で競うクラスに出場。高校32チーム中トップの1リットル当たり1671キロ(平均時速27・87キロ)で連覇した。
濃沼さんは「優勝できたのは先輩たちが長年積み重ねてきた研究成果があったから。僕たちも後輩たちに成果を残せるよう頑張っていきたい」と10連覇に向け、さらなる進化を誓った。
【合田月美】
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