京都大学などは、遺伝子検査に基づいて治療を受けたがん患者は亡くなるリスクが4割下がると発表した。がんに関連する数十〜数百種類の遺伝子を調べる「がん遺伝子パネル検査」を実施する時期に注目した。検査を早期に実施して治療につながる遺伝子の特徴が見つかれば、治療効果を高められる可能性がある。

京大などは遺伝子検査に基づいて治療を受けたがん患者は亡くなるリスクが下がると発表した(東京都千代田区)

がん遺伝子パネル検査は、患者の組織などに含まれるがんに関連する遺伝子を調べる。治療につながる特徴があれば治療薬を選ぶのに役立つ場合がある。2019年から保険診療として検査ができるようになった。

ただ現在は標準的な治療で効果が出なくなった患者が検査の主な対象だ。有効な治療法が見つかっても、病気が進行して体力が落ちているなどの理由で治療を受けられない人もいる。

京都大学の武藤学教授らは、最初の抗がん剤治療などを始める前の患者を対象にパネル検査を実施した。部分的に公的保険が適用される先進医療として進めた臨床研究の追跡調査をした。すると標準治療を終えた後に検査をする現状に比べ、約3倍の患者にパネル検査の結果に基づく治療を施せた。またパネル検査の結果に基づいて治療を受けた患者では、亡くなるリスクが41%下がった。

パネル検査は全てのがん患者に必要なわけではない。ただ、がんの種類によっては早い段階で検査をすれば、患者の生存期間の延長につながる可能性がある。

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