ホルンの音色を聴いて集まるシカ=奈良市の春日大社で2025年12月1日午前10時7分、山口起儀撮影

 ホルンの音色で鹿を呼び寄せる「鹿寄せ」が1日、春日大社(奈良市)境内の「飛火野」で始まった。冬の恒例行事で、演奏を聴いたシカが駆け寄って集まるかわいらしい姿が楽しめる。13日まで開催する。午前10時から約15分間。

 1892年、シカの収容施設の完成を祝う催しでラッパを吹いてシカを集めたのが始まり。県旅館・ホテル生活衛生同業組合奈良支部が、保護団体「奈良の鹿愛護会」の協力を得て実施している。

ご褒美のどんぐりを求めて集まるシカ=奈良市の春日大社で2025年12月1日午前10時8分、山口起儀撮影

 1日は広場の中央で、鹿愛護会の職員がベートーベンの交響曲第6番「田園」の一節を演奏すると、林の奥から100頭以上のシカが勢いよく駆け寄って集結。ご褒美のどんぐりをもらい、満足そうに食べて観光客らを楽しませた。同支部の下谷幸司支部長は「鹿寄せは世界で奈良だけの行事。観光客に楽しんでもらい、魅力をSNS(交流サイト)で発信してほしい」と期待した。【山口起儀】

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