猫が迷子になってしまったら…(写真はイメージです) Anna Belianska-Unsplash

<何年も野良として暮らしていた猫の飼い主が、マイクロチップのおかげで判明した。しかし連絡を受けた元飼い主の反応は予想外だった。ネットでは戸惑いや落胆の声が飛び交っている>

獣医師は、行方不明だった猫が見つかったことを、元の飼い主に知らせたい意向だった。元飼い主は喜んだものの、現在の状況を聞かされて、予想外の反応を示した。

【動画】これがハッピーエンド? 行方不明だった猫発見、でも元飼い主の反応は...

メリーランド州で動物病院を経営する獣医師のクリスタ・マグニフィコさんはインスタグラム経由で本誌の取材に応じ、ペットと家族を再会させたいという思いから、ほぼ毎週のようにマイクロチップで判明した番号に電話をかけていると語った。マイクロチップの装着を強く勧めているのはそれがひとつの理由だという。

アメリカ動物病院協会によると、首輪やタグはなくなったり外れたりすることがある一方で、マイクロチップを装着しておけば、いなくなったペットを長期的に識別できる。マイクロチップを装着したペットの方が、飼い主と再会できる確率は高い。犬と再会できる確率はマイクロチップがある場合は52.2%、ない場合は21.9。猫はマイクロチップがある場合の38.5%に対し、ない場合はわずか1.8%にとどまる。

マグニフィコさんは、新しい飼い主が連れてきた猫のマイクロチップで判明した番号に電話をかける動画をインスタグラムのアカウント(@kmagnifico)に投稿した。

元飼い主は、行方不明だった猫のプリンスが見つかったことを喜んだものの、今は幸せそうにしていると聞かされて、驚いたことに、発見者にそのまま飼ってもらって構わないとマグニフィコさんに告げた。

ユーザーからは、自分の猫を取り戻さなかった元飼い主に対しても、マイクロチップを確認しないまま何年も放置した新しい飼い主に対しても、苛立ちをぶつけるコメントが相次いだ。

「自分だったら感謝はするけれど、やっぱり取り戻したいと思う」
「もし他人が自分のペットを何年も飼っていながらチェックしてくれなかったとしたら、きっと激怒する。そして返してほしいと思う」

そんなコメントが書き込まれている。

マグニフィコさんによると、プリンス改めウィロウはもともと野良猫だった。最初の飼い主が見つけて飼い始め、去勢とワクチン接種を済ませて家の中の生活に慣れさせようとしたが、外にいる方が好きだったらしく、やがていなくなってしまった。飼い主は何カ月も探し続けたという。

その後、この猫は何キロも離れた農場にすみついた。新しい飼い主は、徐々に自分たちに慣れさせてから何カ月もかけて捕獲を試み、自分たちの猫として扱うようになった。

「この子は何年も前に病気で来院した」とマグニフィコさんはコメント欄に書いている。「この時はスキャンはせず、私たちもチップは調べなかった。今回の来院でチップが見つかった」

チップが見つかったことを受け、マグニフィコさんは手順に従って元の飼い主に連絡した。しかし、この子は現状のままでいるのが一番いいと元飼い主は判断した。

「この子はその方が幸せだと元飼い主は考えた。それに、この子はもう戻ってこないと思って新しい猫を飼っていた」

マグニフィコさんはこの状況を、関係者全員にとってのハッピーエンドと解釈し、「マイクロチップの魔法」を指摘する。「前の飼い主はもうこれで、あの子はどうなったんだろうと思い悩まずに済む。この子を見つけ、面倒を見て愛するようになった飼い主は、ずっと飼い続けることができる」

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。