国内最大規模のイチゴ栽培施設で、クリスマスケーキを彩るイチゴの出荷が最盛期を迎えている。

 北海道苫小牧市にあるイチゴ栽培専門の農業法人「苫東ファーム」では4ヘクタールの温室で、約24万株のイチゴを育てている。

 クリスマス直前の約1週間が出荷のピーク。1日あたり約600キロのイチゴを首都圏や道内などに発送し、ほとんどが、ケーキなどに使われる業務用という。

 業務用のイチゴは、赤く色づき、先端がとがった円錐(えんすい)形であることが求められる。このため、人の手でサイズや形などを細かく判別して出荷している。

 イチゴの市場価格は例年、12月が最も高く、年度内の平均単価の1.5倍にもなる。そのため、苫東ファームでは、施設内の温度や二酸化炭素の濃度などを管理して、出荷タイミングを調整しているという。

 11月までは、室温を23度程度に保つ。出荷1週間ほど前から、27度くらいに室温を高め、イチゴに春が来たと勘違いさせ、色づかせるという。

 イチゴを赤くするには、何よりも太陽の光が欠かせない。苫東ファームの舘野隆社長は「LED照明もテストしているが、太陽にはかなわない。クリスマスまで晴天が続いてほしい」。

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