愛犬との「最後の日」は愛に包まれた(写真はイメージです) Cierra Voelkl-Unsplash
<突然倒れ、余命2日を宣告された愛犬グレイシー。飼い主との最後の散歩が街中に感動を巻き起こした>
米ロサンゼルスに住むカップルが、余命わずかな愛犬に「人生で最高の最後の一日」と名付けた特別な時間を与え、その時の動画が大きな反響を呼んでいる。
【動画】涙を流しながら撫でる人も...旅立つ前の愛犬が過ごした特別な一日
キャスリーン・アイヴスさんとパートナーのマイケルさんの愛犬グレイシーは、ピットブルのミックスで、元保護犬だ。2020年にマイケルさんが一時預かりをしてすぐに正式な家族として迎え入れ、絆を深めてきた。
ところが、ある日突然グレイシーが倒れた。「救急病院で24時間を過ごした後、心臓に侵攻性の血管肉腫があり、すでに転移していることがわかった」とアイヴスさんは本誌に語った。
血管肉腫は、血管の内面を構成する細胞から発生する悪性腫瘍だ。初期段階ではほとんど症状が出ず、内出血によって突然倒れ、発見されることが多い。
「診断結果に打ちのめされた」とアイヴスさんは言う。「一時は自宅に連れて帰れるかさえ分からなかったが、素晴らしい獣医チームのおかげで状態が安定し、彼女と一緒に過ごせる貴重な時間をあと2日だけ得ることができた」
グレイシーとの時間が残りわずかであるという現実を突きつけられたアイヴスさんたちは、愛犬に「人生で最高の最後の一日」をプレゼントすることを決めた。
「グレイシーが一番好きだったのは、シルバーレイクのサンセットブルバードを散歩して、コーヒーショップなどに立ち寄り、人々にかわいがってもらうことだった」とアイヴスさんは言う。
2人は、毛布を敷き詰めたワゴンにグレイシーを乗せ、「グレイシーの人生で最高の最後の一日です。撫でてあげてください」と書いたサインを掲げて出発した。
散歩は、マイケルさんがグレイシーを引き取った日に最初に行ったコーヒーショップからスタートし、ゆっくりと歩き始めた。「数メートル進むごとに誰かが足を止めて撫でてくれるので、なかなか前には進めなかったが、美しい光景だった」とアイヴスさんは言う。
見知らぬ人々が次々と立ち止まり、グレイシーについて尋ね、彼女の鼻先を優しく撫で、小さな思いやりを捧げてくれた。
「すぐに涙を流す人もいれば、優しい微笑みを浮かべる人もいた。通りの向こうからわざわざ追いかけてきて撫でてくれる人や、プレゼントを持ってきてくれる人もいた。老犬を飼っているという女性は、バラの花束をくれた」
12月5日、2人はグレイシーに最後の別れを告げた。その後、インスタグラムに投稿した「最後の一日」の動画は、100万回以上再生されている。
何千件もの「いいね」と応援のコメントが寄せられ、街中やネット上で溢れた愛が、愛犬を失った2人の心を癒やしてくれたという。
「私たちのストーリーを通じて、人々が喪失感の中に安らぎやつながり、あるいは癒しを見出してくれることを願っている」とアイヴスさんは話している。
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