麻疹(はしか)の感染拡大に備え、神奈川県は22日、麻疹患者と接触した人が希望する場合、県内10カ所の拠点医療機関でMRワクチン(麻疹風疹混合ワクチン)を無料で緊急接種できる制度を開始した。
麻疹は感染力が強く、感染者がいた部屋に2時間後に入っただけで感染する可能性があり、10日ほどの潜伏期間を経て発症する。肺炎や脳炎などを起こし、1000人に1~2人が死亡する。
新型コロナウイルス禍は感染者が少なかったが、今年は全国的に急増。海外から麻疹ウイルスが持ち込まれ、免疫が十分ない人の間で感染が広がるケースが相次ぎ、県内では1~11月で41件の感染が確認されている。
緊急接種は、麻疹感染者と接触したと特定され、MRワクチンを2回接種していないなどの理由で免疫が不十分な県民が主な対象となる。ウイルスに暴露後、72時間以内に接種すれば、発症を防げる可能性がある。
これまでは8000~1万2000円ほどの自己負担が必要だったが、緊急接種は無料。県は280人分のワクチンを確保している。【國枝すみれ】
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