政府は23日、人工知能（AI）の開発や利活用推進に向けた政府の方針を示した初の「AI基本計画」を閣議決定した。国家主権や安全保障上の観点も踏まえ、国産AIの開発支援などを盛り込んだ。
計画では、世界のAI利活用や開発が「総力戦」の様相を呈しているとして「我が国としても出遅れることはできない」と認識。「世界で最もAIを開発・活用しやすい国を目指す」とうたう。
その実現のため▽利活用の加速的推進▽開発力の戦略的強化▽AIガバナンス（統治）の主導▽AI社会に向けた継続的改革――の4方針を示し、具体策を列挙した。日本が強みとする産業・研究分野での質の高いデータや通信環境を生かし、日本の文化や習慣なども踏まえた「信頼できる国産AI」などの開発につなげるとしている。
AIのリスク対応については、「イノベーション促進との両立」を徹底する方針も示した。AIの安全性を評価する政府機関「AIセーフティ・インスティテュート（AISI）」の大幅な人員拡充も盛り込んでいる。
AI関連技術は発展スピードが速いという実情を踏まえ、政府は有識者の意見を聞きながら、計画を当面毎年見直していくとしている。【町野幸】
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