
tomekwalecki-pixabay
<砂糖で高度に加工された食べ物によって、脳内の快楽を感じる部分が活性化。しかし、「代替手段」がある>
脳の働きが良くなり、スッキリ。認知機能・学習機能・記憶力もアップ。ファスティングは、単なる減量やダイエットではなく、中毒、羞恥心、罪悪感など精神的、感情的な問題にも効果がある...。
日本でも有名になった「トロント最高の医師」ジェイソン・ファンらによる読んですぐに実践できる、ファスティングの決定版!『トロント最高の医師が教える 世界最強のファスティング』(CEメディアハウス)の「第4章 カロリーを制限してもやせられない」より一部編集・抜粋。
◇ ◇ ◇
砂糖依存症がどれほど恐ろしいものか、ほとんどの人はわかっていない。砂糖は肥満、心血管疾患、糖尿病、がん、そのほか数多くの慢性疾患と直接的な関わりがあると、繰り返し調査で示されている。
それでも、私たちの脳には、加工された食べ物を食べればすぐに快楽を得られるし、幸せを感じられるし、最高の気分が味わえる、と刻み込まれてしまっている。
加工された食べ物を食べるのをやめることを考えただけでも──ほんの短期間のファスティングをすると考えただけでも──そんなことは無理だ、と思ってしまう。
砂糖を摂らないようにすれば、長々とセラピーを受けるよりもずっとよく、自分のことも、自分の人間関係のことも見えるようになる。私も、自分の食生活を大きく変えるまで、そのことがわからなかった。脳は食べ物に快楽を見出すということを私が知ったのは、子どものころのことだ。
2015年に、研究者のグループが中毒になりやすい食べ物のランキングを発表した。幅広い年齢層の500人の被験者に聞き取り調査を行い、中毒に似た体の反応や行動を引き起こす食べ物を挙げてもらった。
上位に挙がった10種類の食べ物のうち、じつに9種類がほぼ加工された材料のみでできていることは、驚くまでもないだろう。
中毒になる食べ物トップ10
1位 ピザ 2位 チョコレート 3位 ポテトチップス 4位 クッキー 5位 アイスクリーム 6位 フライドポテト 7位 チーズバーガー 8位 清涼飲料水 9位 ケーキ 10位 チーズ
不健康な習慣を断つ
習慣は3つのものによってつくられる―きっかけ、ルーティン、一定の報酬だ。たとえばストレスなどがきっかけとなって、あることを繰り返し行うようになり、それがたとえばリラックスや幸せの感情という報酬に結びつくと、それが習慣になる。例を挙げてみよう。
義理の親戚の家を訪ねるのが嫌いで、先方に行くたびにキッチンをウロウロして、甘いお菓子や塩辛いスナック菓子をつまんでいるとする。
すると、高度に加工されたそうした食べ物によって、脳の中の快楽を感じる部分が活性化され、逃げ出したいほど嫌いなその家にいるストレスよりも、幸福感が上回るようになる。
ルーティン(この場合は食べること)は、きっかけと報酬をつなぐ重要な要素だ。そのルーティンをやめれば──あるいは、そのほかのことをすれば──そのルーティンが報酬につながるのを避けることができる。
きっかけはさまざまだ。結婚したり、すばらしい旅行に行ったり、夢だった職業に就いたりと、ポジティブなものもある。一方、職場でのストレス、悲しみ、孤独、病気など、ネガティブなものもある。
でも、きっかけが何であれ、ルーティンは同じ。精製され、高度に加工された炭水化物を食べることだ。「お祝いにアイスクリームを食べよう!」「悲しくてしかたないから、アイスクリームを食べよう!」という具合に。
習慣を変えたければ、ルーティンを変えなければならない。報酬──いい気分になること──は、高度に加工された炭水化物やお菓子がなければ手に入らないわけではない。
私の主な仕事は、患者が別の方法でリラックスしたり幸せを感じたりすることができるように、カウンセリングをすることだ。つまり、食べ物に頼ることなく、じっさいに報酬を得られるような方法を考えるということだ。いまのサイクルを断ち切るためには、ふたつの戦略が必要だ。
まず、砂糖が欲しくなるたびに、砂糖ではなく脂質を摂るようにする。脂質を摂ると、満腹で気分がいいという信号が脳に送られ、食欲もおさまる。
次に、ファスティングをする。ファスティングもホルモンの調節に有効で、食欲をコントロールできるようになる。
でも、それだけでなく、ファスティングをすることで、私たちは自由になることができる。自由になれることがファスティングのいちばんの恩恵だと、患者たちは口をそろえて言う。
メーガン・ラモス(Megan Ramos)
臨床研究者。ファスティングと低炭水化物療法を用いたセラピーを行い、これまで世界で1万4千人以上にアドバイスをしてきた。 〈インテンシブ・ダイエタリー・マネジメント〉と〈ザ・ファスティング・メソッド〉の共同発足者として、健康教育とサポートに従事している。NPO〈パブリック・ヘルス・コラボレーション・ カナダ〉のディレクターのほか、「ジャーナル・オブ・インスリン・ レジスタンス」誌の編集委員も務めている。
『トロント最高の医師が教える 世界最強のファスティング』
ジェイソン・ファン 、イヴ・メイヤー、メーガン・ラモス[著]
多賀谷 正子[訳]
CEメディアハウス[刊]
(※画像をクリックするとアマゾンに飛びます)
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。