思春期の子を育てる母親の約4人に1人は中等度以上の更年期症状を抱えていて、このうち医療機関を受診している人は1割に満たないとの調査結果を、国立成育医療研究センターが公表した。症状が強いほど子は抑うつ症状を感じやすく、インターネットへの依存度が高かった。
思春期の子を持つ母親の多くは、更年期症状を感じやすい中年期を迎えている。しかし、子のメンタルヘルスに及ぼす影響を調べた研究はほとんどなかった。
研究チームは、全国から無作為に抽出した10~16歳の子を持つ1541世帯を対象に調べた。母親の更年期症状を点数化し、症状なしから重度まで5段階に分類。子のメンタルヘルスも国際基準で点数化した。
その結果、母親の更年期症状は、重度2%▽中等度から重度8%▽中等度17%▽軽症から中等度41%▽軽症もしくは無症状32%――だった。診察が望ましい中等度以上で受診している人は9%にとどまった。
子のメンタルヘルスでは、母親が軽症もしくは無症状の子を基準にリスク評価すると、重度の場合はネット依存傾向が6・38倍、抑うつは3・9倍の高さだった。中等度から重度ではネット依存傾向が2・12倍、抑うつが1・23倍だった。
抑うつ以外にも、問題行動や不注意、情緒不安定、不安なども母親の重症度が上がるほど症状を抱えている子が多くなる傾向があった。
研究チームは「思春期は心の発達にとって重要な時期で、保護者の健康状態に対する理解や支援が家族全体にとって重要だ。更年期症状への早期対応や相談支援体制の構築は女性だけでなく、子のためにもなる」としている。
成果は女性の健康を専門にする米学会誌に掲載された。【渡辺諒】
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