ハイディ・クルム Featureflash Photo Agency-shutterstock
<毎年独特なハロウィン衣装を披露するハイディ・クルム。グラミー賞授賞式の服装で観客の度肝を抜いた>
2026年のグラミー賞授賞式に登場したハイディ・クルムの姿は、最も注目を集めたものの1つとなった。
スーパーモデルのクルムがレッドカーペットに現れたとき、そこにあったのは光沢のある、肌と見まがうような「第二の皮膚」だったのだ。
【写真】「もう裸じゃん」...ハイディ・クルムの体を、カーブや凹凸まで忠実に再現した「裸のドレス」
この「裸のドレス」は、オーストリアのファッションデザイナー、マリーナ・ヘルマンゼダーが手がけたもので、衣服とボディアートの境界を曖昧にする作品であった。その制作過程も、完成品に劣らぬほど衝撃的であった。
この特注ドレスは、ヌードカラーのレザーをクルムの体に直接合わせて成形したもの。その舞台裏の様子がヘルマンゼダーによってSNS上に公開された。
インスタグラムに投稿された写真には、初期のスケッチやコンピュータレンダリングから、グラミー当日にクルムが着用した艶やかな完成品に至るまでの工程が紹介されている。
米ニュースサイト『ページ・シックス』によると、デザインの出発点はクルムの体の型を作ることだった。首元から膝までのライン、自然なカーブや凹凸に至るまでが忠実に再現された。
そこから、レザーの原皮が水に浸され、引き伸ばされ、型に合わせて丁寧に作られた。ヘルマンゼダーのチームはヘアドライヤーや革細工専用の道具を用いて、精密なフィット感を実現させた。
こうして、素材は剛性を保ちつつも体に密着する「殻」へと変貌を遂げたのである。
ドレスは前後2枚のパーツに分けて制作され、最終的に両側をバックルで留める構造となっている。
首元や裾には鋭角で不揃いなカッティングが施されており、それぞれがユーティリティナイフによる手作業で切り出された。これにより、仕上がりに彫刻的かつ有機的な印象が加わっている。
構造と同じくらい重要だったのが色の選定だ。クルムの肌色とできる限り一致させるため、何種類もの塗料が試され、最適な色が選ばれた。
ドレスの各パーツは、研磨され、塗装が施された後、高光沢のラッカーでコーティングされた。この仕上げによって、革素材でありながらラテックスのような反射性が生まれた。
結果、まるで体に液体が流し込まれて固まったかのような、錯覚的な「裸」ドレスが完成し、レッドカーペットの照明の下でその効果は最大限に発揮された。
スタンディングオベーション間違いなし
この劇的な装いには現実的な制約が伴うと認めた。
「ずっと拍手して立っていると思うわ」とクルムはロイターに語った。このドレスを着たままでは座ることができないというのだ。
「スタンディングオベーション間違いなしね」
米誌『エンターテイメント・ウィークリー』によれば、クルムはその後、式典の会場内でより快適な黒のドレスに着替え、ハンバーガーを楽しむ様子を撮影した動画を公開している。
また、クルムはロイターに対し、「デザイナーは私の体の型を取るの。これは革でできていて、それにスプレーして、肌の色とできる限り近づけて『裸』に見えるようにしているの」と、ドレスのコンセプトについて説明した。
デザイナーのヘルマンゼダーは、革製のコルセットや人体を模した「花瓶」のような造形作品で知られている。これまでにもカイリー・ジェンナー、ナオミ・キャンベル、リアーナといったスターたちに衣装を提供してきた。
大胆なレッドカーペットファッションで名を馳せてきたクルムは、米音楽雑誌『ビルボード』に対して「私はいつも『ショーストッパー』的な衣装を狙っているの」と語っている。
その目標は今回、職人技そのものを見せものとして際立たせることで、はっきりと達成されたと言える。
本誌はハイディ・クルムの広報にコメントを求めている。
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