毎日5分のエキセントリック運動で、加齢とともに衰える筋機能を効果的に鍛えられる Prostock-studio/SHUTTERSTOCK

<70歳、80歳を「元気な10年」に変える方法とは? 必要なのはジム通いではなく、日々の小さな積み重ねと、正しい食事の基本だ>


▼目次
1.平均寿命と健康寿命は違う
2.ちょっとした運動でも健康寿命が延ばせる
3.簡単にできるエキセントリック運動の実例
■自体重エキセントリック運動
■エキセントリックウオーキング
4.70歳からの健康は「今の生活」で決まる

1.平均寿命と健康寿命は違う

健康で長生きすることは、誰もが願っていることであろう。

健康上の問題で日常生活に制限を受けることなく、自立して生活できる期間を健康寿命と言うが、平均寿命と健康寿命には10年程度の差がある。

すなわち最後の10年程度は、寝たきりや認知症などで介護が必要となる可能性があるということだ。

加齢に伴い骨格筋量は徐々に低下し(「サルコペニア」と呼ばれる)、筋力、筋持久力、筋パワー(筋力×スピード)といった筋機能は20〜30歳をピークに1年に1%程度ずつ低下していく。

加齢に伴う低下は筋パワー、筋力、筋量の順で生じるので、筋パワーの測定(歩行速度、椅子からの立ち上がり速度など)によって、より早期に加齢の骨格筋への影響を把握することができる。

骨格筋の量と機能低下は多くの慢性疾患の原因となり、フレイル(心身の活力低下)を招き、放置すれば「介護」が必要なレベルに達する。

健康寿命を延ばすには習慣的な運動が不可欠だ。

運動が呼吸器系、循環器系、脳神経系、代謝系、精神系、筋骨格系の疾患の多くや、さまざまな癌の予防や治療に有効なことはよく知られている。

WHO(世界保健機関)も、週に150分以上のややきつい持久的な運動と週に2回以上の体幹、腕、脚の筋肉を強くする運動を推奨している。

2.ちょっとした運動でも健康寿命が延ばせる

普段から歩くことを心がけていても、筋肉を鍛える運動は行っていない人が多く、WHOの基準を満たしている人は20%以下だといわれる。

時間がない、疲れる、やる場所がないなどが理由だが、運動を習慣的に行わない生活を続けると、体力が低下するだけでなく、健康を害することにもつながる。

しかし運動習慣のない人に、「週に150分以上運動をしなさい。そして週2回以上、筋肉を鍛える運動も入れなさい」と言うのは酷だろう。

もし、「1日5分程度のちょっとした運動でも効果があり、健康寿命が延ばせる」としたらどうだろうか?

「そんな運動があるのか」と思うかもしれないが、実はある。

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【note限定公開記事】1日「5分」の習慣が「10年」先のあなたを守る――「動ける体」をつくる、エキセントリック運動


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