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車両停止処分を受けた郵便局に止まる軽バン=2025年10月1日午後0時31分、東京都江東区、友永翔大撮影

 郵便物の配送に軽バンなど軽貨物自動車を使う郵便局に国土交通省が監査を行い、運転手への点呼が不適切だったとして、国交省は10日、違反が確認された各地の郵便局に対し、軽貨物車の使用停止処分の通知を終えたと発表した。処分は昨年10月から順次科され、今回の通知が最後。処分は全体で計1862郵便局、停止は計3333台になる。

国交相「輸送の安全を揺るがす」

 処分は貨物自動車運送事業法違反の認定に基づくもので、金子恭之国交相が10日、閣議後会見で明らかにした。金子国交相は「安全管理の要である点呼業務が適正にされず業務が行われていたことは、輸送の安全を揺るがすもので遺憾だ。再発防止の取り組みを着実に実施していただきたい」と話した。

 貨物自動車運送事業法は軽貨物車について、事業所ごとに「車両停止」という処分を定める。事業所の全車両が対象となるわけではなく、停止日数や台数は、違反の重さや事業所の所有台数に応じて決まる。

 日本郵便をめぐっては昨年3月、近畿地方で点呼が適切に実施されていないことが朝日新聞の取材で発覚。日本郵便は昨年4月、全国3188郵便局の75%にあたる2391局で不適切な点呼があったとする全国調査の結果を発表していた。

 調査を受け、国交省は全国の郵便局に監査を実施。昨年10月から順次、違反を認定した郵便局で軽貨物車が一定期間使えなくなる処分を科してきた。全ての軽貨物車が使えるようになるのは6月1日からとなる。

トラックも停止、他社に委託

 日本郵便では大型トラックを扱う郵便局でも不適切点呼が確認され、国交省は昨年6月、一般貨物自動車運送事業の許可を取り消し、拠点間の輸送に使うトラックなど約2500台が使えなくなった。軽貨物車の処分も含めて物流網に影響が出て、日本郵便は佐川急便など同業他社への委託などで補っている。

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日本郵便の車両=2025年6月4日、東京都港区、西岡臣撮影

不適切点呼をめぐる経緯

日本郵便の不適切点呼を巡る経緯

2024年

5月11日  横浜市の郵便局の配達員が点呼を受けずに酩酊(めいてい)運転

 30日  本社が全国に点呼徹底を通知

2025年

1月    兵庫県の郵便局で数年間の点呼未実施が発覚

2月    近畿支社管内の8割で不適切点呼が判明

26日   東京都内で郵便配達員が業務中に飲酒。公表せず

3月11日  朝日新聞が不適切点呼を報道。本社が記者会見し謝罪

4月23日  本社が全国調査結果を報告、発表

25日    国土交通省が特別監査を開始

6月25日  国交省が一般貨物自動車運送事業の許可取り消し

     約2500台のトラックやバンが使用不可に

10月1日  国交省が全国111局に軽貨物車の使用停止処分を通知

     郵便局ごとに順次処分を執行

2026年

2月10日   国交省が郵便局に最後の処分通知

      一連の処分対象は計1862局、停止は3333台に

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