大阪・関西万博の会場があった夢洲(ゆめしま)にもほど近い、大阪市港区に誕生した「お菓子ミュージアム天保山」。昨年12月のオープン以来、大阪・関西万博で人気だった菓子アートの展示や、全国各地の菓子が買えるコーナーなどが注目を集めている。運営しているのは菓子卸販売の吉寿屋(大阪府摂津市)。神吉一寿社長(59)は「まだまだ進化の途中。来るたびに新しい楽しみがあるように、さらに内容を充実させていきたい」と話す。
ずらりと並んだ「チョコエッグ」のおまけが、入り口で出迎えてくれた。「これは最近、展示を始めたんですよ」と神吉社長。ミュージアムは人気水族館「海遊館」に隣接する大阪文化館・天保山の5階にある。少し前までは、ミュージアムから万博の大屋根リングなどが見えたという。
「オールお菓子、しかも流通菓子のライバル社同士が集まったミュージアムはなかなかないでしょう」と神吉社長は胸を張る。大阪・関西万博に「お菓子で世界にスマイルプロジェクト」と題して出展。この際も、企業50社が協力して日本の菓子をPRし、5日間で2万人以上が訪れた。「万博を開催した年に、万博のレガシーを継承する施設をオープンしたい」と考え、開設に至った。
吉寿屋は1964年創業。菓子卸として約1000社と取引するとともに、近畿を中心に小売店「お菓子のデパートよしや」を展開している。多くの企業が万博出展、そしてミュージアム開設に協力したのも、卸・小売りとしての取引実績があったからこそ。吉寿屋の2代目にあたる神吉社長は「生まれながらのお菓子屋」を自任する。「日本には、和菓子、洋菓子、駄菓子など、多種多様なお菓子がある。世界に誇れる文化なんです」と語る。
万博出展の菓子アートも
内部は三つのゾーンに分かれ、入ってすぐの「HAPPYゾーン」には、万博に出展した菓子アートを展示。市販の菓子で作った立体作品や企業が考えた未来の菓子などが目を引く。試食や企業のキャラクターと写真が撮れるコーナーが人気を集める。
次の「LUCKYゾーン」では、射的やスーパーボールすくいなどの縁日を体験できる。産学連携にも取り組み、武庫川女子大による「お菓子神社・お菓子みくじ」など学生のチャレンジの場もある。お菓子にちなんだ落語が実演されることも。最後の「UKI-UKIゾーン」には、駄菓子や全国各地のご当地菓子など約1500種類が並び、買い物が楽しめる。
入場料は、中学生以上500円、外国人観光客は1000円。二重価格について、神吉社長は「本来なら全員高い料金をいただきたいが、リピーターになってほしいので国内在住の人を安くした」と説明する。子どもは一律200円にした。
今後、菓子作り体験など新たなコンテンツを投入する予定。さらに、東京・浅草への進出も検討している。神吉社長は「世界最高峰とも言える日本の菓子文化を、発信したい。お菓子を食べて、みんなが笑顔になればうれしい」と語る。
年中無休、午前9時半~午後8時(午後7時最終受付)。問い合わせは同ミュージアム(06・6576・0077)。【水津聡子】
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