小林製薬の紅こうじサプリメントによる健康被害の原因物質と確認された青カビ由来の「プベルル酸」について、東京科学大の研究チームは2日、エネルギーを産生する細胞小器官のミトコンドリアを傷つけることで、腎臓の細胞の死滅を引き起こしている可能性があることが分かったと発表した。
チームは人の腎細胞やミニ臓器(オルガノイド)を使い、プベルル酸がどのような作用機序で腎臓の障害を引き起こすかを調べた。それぞれに投与したところ、尿細管上皮細胞が死滅した。さらに解析を進めると、死滅する前にミトコンドリアの機能が低下していることも分かった。
森雄太郎助教(腎臓内科)は「プベルル酸がどのように腎障害を引き起こすのかは分かっておらず、今回の研究で発症機序について主要な部分が解明できた」と話す。その上で「ミトコンドリアが豊富にある他の臓器への障害は報告されておらず、なぜ腎臓で起こるのかについてはさらなる検討が必要だ」としている。
成果は科学誌「キドニー・インターナショナル・リポーツ」に掲載された。成果を基に、後遺症治療に関する研究が進む可能性が期待されるという。
紅こうじサプリを巡っては、小林製薬が2024年3月に被害報告があることを公表。大阪市は同年10月、混入したプベルル酸が原因物質として、食品衛生法に基づいて食中毒と判断した。【菅沼舞】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。