厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影

 厚生労働省は18日、個人事業主らが一般社団法人の役員になることで高額な国民健康保険料の支払いを免れる「国保逃れ」の是正に向けた通知を出した。役員としての業務や報酬の要件を明確化し、実態がないと判断された場合は社会保険は適用されないと明示した。

 個人事業主らは一般的に国民健康保険に加入するが、形式的に一般社団法人の役員に就任し、国保から社会保険に切り替える「国保逃れ」があると指摘されている。厚労省によると、保険料の算出の基になる役員報酬を低くすることで保険料を抑えるほか、報酬を上回る金額を会費などの名目で支払わせている実態がある。日本維新の会は1月、「国保逃れ」に関与したとして、元職を含む所属地方議員6人を除名処分にした。

 社会保険の適用を判断する日本年金機構などに通知した。役員としての業務に当たらないケースとして、アンケートへの回答や勉強会への参加など単なる自己研さん▽活動報告や情報共有など、役員としての具体的な指導監督や権限の行使に当たらない業務▽法人の事業を紹介するなど、単なる協力にとどまるような業務――を挙げている。

 個人事業主らが法人に対し役員としての報酬を上回る額の会費などを支払っている場合も、業務の対価に見合った報酬を受けているものとは認められないとして、条件を満たさない。

 日本年金機構は今後、「国保逃れ」が疑われる事業所への調査を実施し、必要な指導などを行う。【寺原多恵子】

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