大津市議会は25日にあった本会議で、市立幼稚園教員の給与体系を見直し保育士の水準に合わせる条例改正案について、閉会中も継続審査とする総務常任委員会の提案を37人中20人の賛成多数で可決した。同議会事務局によると、市が上程した議案が通常会議で採決に至らず継続審査となるのは53年ぶり。佐藤健司市長は「真摯(しんし)に受け止めたい」とした上で、組合交渉の再開を促すほか、「幼稚園現場の声を聞く機会を作りたい」と表明した。【岸桂子】
教育保育職という新しい職制の給料表をつくる議案を維持したままの継続審査に、条例改正案に反対する署名活動などをしていた関係者らには落胆が広がった。総務常任委員会で審査が続くが、日程は未定。
継続審査を巡っては、新和会の八田憲児議員が「幼稚園教員の給与引き下げだけがクローズアップされ、待機児童問題や長期的視野での就学前教育の議論に及ばなかった。妥結されていない組合交渉も事務レベルで協議を始めているという市当局の報告もあり、今後合意が示される可能性がある」と賛成討論した。
一方、市民ネット21の草川肇議員が「継続審査では条例改正案が机上に乗ったままで、組合にとっては極めて不平等な条件闘争を強いられる。現場にも不安をもたらしており、今なすべきことはいったん議案を白紙に戻すことだ」と述べるなど、計5会派が反対討論を繰り広げた。
採決では、新和会8人と湖誠会6人(草野聖地議長を除く)、公明党5人と立志会1人が賛成し、議案は可決された。
本会議を傍聴した県教職員組合の松崎有純執行委員は「賃金が変わるという条例改正が前提であれば対等な交渉にならず、可決は残念だ」と悔しさをにじませた。
また、「就学前教育を守る会」(大塚清高代表)が提出した、賃下げをせず幼稚園教職員が安心して働き続けられる環境整備を求める請願は、賛成少数18人で不採択だった。大塚代表は「(条例改正案の継続審査は)どういう目的でされるのか。反対する市民の熱が冷めるのを待つ措置に思える。現場の幼稚園教員や保育士にも不安が残る」とため息をついた。
議決後、報道陣の取材に応じた佐藤市長は「幼稚園児数が5年間で4割近く減少する中、幼稚園教諭の力を保育現場でも発揮していただき、就学前教育のより良い形を目指したいと提案した」と改めて説明した。
この日は、他に2026年度市一般会計当初予算案など70議案の採決も行われた。「庁舎整備の財源確保と事業完遂への覚悟」として26年度の市長、副市長らと次長級以上の幹部職員の本給を5%減額する条例案は、削減の対象から次長級以上の幹部職員を外す修正案となり、賛成多数で可決した。
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