発刊された「地球旅豆本」=2026年3月19日午前11時45分、藤田宰司撮影

 海外留学を経験した大学生らが、外国で学んだことや留学先で見つけた魅力などを紹介する「地球旅豆本」を発刊した。編集長の山口大学人文学部4年、勝部風香さん(22)は「留学したいと思っていてもなかなか踏み切れないでいる学生の背中を押すような本が作りたかった。外国に興味を持ち、さまざまな魅力や学びがあることを伝えたい」と思いを語る。

 勝部さんは2024年9月~25年7月にドイツに留学して美術やドイツ語を学んだ。留学前は生活や費用だけでなく、どのくらい語学が身につくかなど不安が多く、留学体験を伝える動画をネットで探して見た。

 しかし、実際に留学し「多くの人と知り合い、お祭りに参加したり、ヨーロッパ各国を巡ったりして充実した日々だった」という。

 暮らしの中で感じたのは「日本にはない当たり前があった」こと。店員が無愛想、電車が時間通り来ない、日曜はスーパーが休み……。日本の感覚では不便なのだが、日曜は家で休み、他人に気を使い過ぎることもない。

 ゆったりとした空気感が好きになり「日本の当たり前を疑い、不完全さを受け入れる心を持てるようになった」という。

 帰国後、自分の経験を他の学生にも伝えようと、大学生が「豆本」を作るプロジェクトに参加。25年8月から2回のクラウドファンディングで製作費を募り、山口大や山口学芸大の現役学生と県立大卒業生の12人がドイツ▽デンマーク▽タイ▽コスタリカ▽オーストラリア▽アメリカ――6カ国の留学体験を手分けして執筆した。

「地球旅豆本」を手にする勝部風香さん(右)と日高里菜さん=山口市亀山町の山口市役所で2026年3月19日午前11時41分、藤田宰司撮影

 山口大教育学部4年の日高里菜さん(23)はドイツ、アメリカ留学の経験を書くとともに、レイアウトやデザインの発注・調整も担当。学生の座談会や留学費用のグラフ、トラブルの実例などのページもつくり「チームで思いを共有し、納得できる形にまとめる難しさを学んだ」。

 完成した豆本はA6判82ページ。留学先に持参してもらうことを意識したコンパクトなサイズ。前半は主に学生の文章と写真でつくり、後半は豆本づくりをサポートする社会人が留学や海外旅行の思い出を寄せた。

 550円(税込み)で2000部発行。山口大学生協や県内の明屋書店、オンラインショップで販売中。【藤田宰司】

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。