1958年に東京都立墨田産院(88年に閉院)で起きた新生児の取り違えを巡って、都は30日、実の親の調査を求めた訴訟で勝訴した江蔵(えぐら)智さん(67)に、生みの親を見つけられなかったとする調査報告書を手渡した。調査を終了する。
江蔵さんは46歳だった2004年、DNA型鑑定で育ての両親と生物学上の親子関係がないことが判明した。都を相手取った訴訟を起こしたところ、取り違えを認定し都に2000万円の賠償を命じる判決が06年に確定した。
しかし都が生みの親の調査に協力しなかったため、21年11月に再び提訴。東京地裁は25年4月、「出自に関する情報を知ることは、憲法13条が保障する法的利益だ」として都に調査を命じた。
都も江蔵さん側も控訴せず、判決は確定。都は江蔵さんと同時期に墨田産院で生まれた可能性がある男性に、DNA型鑑定への協力を依頼する文書を送るなどしていた。今年2月下旬にも対象者に文書を送ったが新たな協力者を得られず、これ以上都から働きかけるのは困難と判断した。【遠藤龍、柳澤一男】
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