起床時は特に注意を
「かくれ脱水」 気づくには?
「かくれ脱水」防ぐための対策は?
熱中症対策に詳しい済生会横浜市東部病院の谷口英喜医師によりますと、体内の水分が体重の2%から3%以上失われると脱水の状態になり、のどの渇きやけん怠感といった自覚症状が出やすい一方で1%から2%ほど失われた場合は体内の水分が減っているにもかかわらず気づかないことが多いということです。この状態は「かくれ脱水」と呼ばれているといいます。
「『かくれ脱水』になると脱水状態に急激に進む可能性があり、そこに暑さが加わると熱中症につながるおそれがある。暑い日が続き、疲労が蓄積されているこの時期は特に注意が必要だ」
また、就寝時は汗をかく一方で水分をとることができないため、起床時は特に注意が必要で、この状態のまま水分補給をしなかったり、朝食を抜いたりすると、熱中症の危険性が高くなるとしています。
この「かくれ脱水」に気づくにはどうすればいいのか。谷口医師は手の甲をつまみ、皮膚が元に戻るまでの時間を計る方法が有効だとしています。3秒以上かかった場合は「かくれ脱水」を疑ってほしいとしています。
「意識的に水を飲むことはもちろんだが、食事から水分をとることも重要だ。特に朝食が大切で、時間がない場合でも最低限、フルーツやヨーグルトなど水分を多く含むものを食べてほしい。夏休みで生活習慣が乱れてしまったケースもあるかもしれないがしっかりリセットして、規則正しい食生活も意識してほしい」
総務省消防庁によりますと、8月31日までの1週間に、熱中症で病院に搬送された人は速報値で全国で5486人となっています。ことし5月1日から8月31日までの累計は9万7人となり、去年の同じ時期の8万6075人から3900人余り多くなりました。また、去年までの過去3年間で9月に全国で搬送された人数をみてみると、2022年は4931人、2023年は9193人、2024年は1万1503人と年々、増加していて、去年は過去最多となっています。気象庁の3か月予報では9月は全国的に平均気温は「高い」と予想されていて、引き続き、熱中症対策に注意が必要です。
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