教室=斎藤文太郎撮影

 学習指導要領改定に向けた基本方針には、「子どもの意見表明権」を教育に取り入れる案が盛り込まれた。児童生徒が主体となって校則を改善していく活動などを想定し、特別活動に位置づける。制服や髪形などを厳しく制約する「ブラック校則」を児童生徒が自ら見直していく。そんな活動が学校教育に取り入れられそうだ。

 子どもの意見表明権は、1989年に国連で採択された「子どもの権利条約」の12条に規定。子どもが自らに影響を及ぼす事項に対して自由に意見を述べる権利を確保するとしている。

想定される学習指導要領改定のスケジュール

 日本は94年にこの条約を批准した。国内法は長く未整備だったが、子どもの意見表明権を基本理念に掲げた「こども基本法」が2022年に成立。その後初めての指導要領改定を迎えるため、学校での指導にも取り入れることにした。

 次期指導要領では、学校でのルール形成や学校生活の改善、学校行事などに児童生徒が主体として参加する取り組みを特別活動に位置づける。

学習指導要領改定に向けた基本方針のポイント

 生徒会活動についても、発達段階に応じて学校運営に子どもが関わる仕組みであることを明記。国籍や背景が多様な子どもの存在を前提に、安易に多数決に頼らずに解決策を模索することの重要性も明確化する。

 社会科や公民科は、子どもの社会参画や意見表明を推進する内容となる。文部科学省の担当者は「当事者意識を持って自分の意見を形成し、対話と合意ができる子どもを育てていきたい」としている。【斎藤文太郎】

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