
流通に乗りにくい「未利用魚」の有効活用を目指し、作新学院高(宇都宮市)の生徒が考案したギョーザ「未利用魚ウザ(みりようぎょうざ)」が、同校の文化祭「作新祭」で限定販売された。2年がかりで完成した商品は好評で、生徒らは加工コスト低減などに向けてさらに研究を続けていく方針だ。
端材を使い製造

未利用魚ウザのレシピを考案したのは、同校の魚類・水生生物探求チーム。現代表で2年の益子将孝さん(16)によると、2023年、当時のメンバーが探求学習の中で未利用魚の存在を知った。
未利用魚は、食用にはなるがサイズがそろわなかったり、漁獲量が少なかったりといったさまざまな理由で利用されない魚のことだ。チームはこうした魚を有効活用して地元を盛り上げたいと、ギョーザの材料として使うことを思いついた。
チームはサメを使い、特有の臭いを消しておいしいギョーザに仕上げる方法を研究。その成果を「海なし県の未利用魚活用」としてまとめ、中高生を対象にした北海道大主催の「海の宝アカデミックコンテスト2023」に応募して全国優勝を果たした。

その後、後輩が引き継いでレシピの改良を続けた。益子さんは「臭みをとる方法を変えたり、(ギョーザの)あんに加える具材やたれを工夫したりして、十数種類のレシピを考えた。正直なところ、最初の頃はそれほどおいしくなかったが、ようやく自信を持っておいしいと言えるものができた」と話す。
販売にあたっては、宇都宮餃子会に加盟する「雄都水産」(宇都宮市)が全面協力。材料確保の観点から、今回はネズミザメ(モウカザメ)やヤシオマスの端材を使ってギョーザを製造し、5、6両日の作新祭で水ギョーザとして450食を販売した。購入した生徒らは「たれをつけなくてもおいしい」と、ゆでたての「未利用魚ウザ」を頰張っていた。
今後の販売は未定だが、チームは作新祭での成果に手応えを感じている。益子さんは「未利用魚は材料調達という点でも難しさがある。今後はもっと手軽に安く作る方法について研究していきたい」と意気込む。【大場あい】
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