
神戸市教育委員会は、市立中学校の部活動の地域移行の受け皿として来年9月に始める「コベカツ」について、保護者の費用負担を軽減するため、補助制度などを設ける方向で検討に入った。すでに現在の部活動数と同程度の約1000の民間スポーツクラブや文化団体などが参加登録しており、生徒が多様な選択をできるように環境整備を目指す。
市立中では少子化によって、廃部などで部活動の種目数が減少し、教員の働き方改革も求められている。一方で生徒の間では現在はない種目へのニーズも高まっており、市教委は来年8月に市立中学の部活動を廃止。翌9月から平日・休日ともコベカツに地域移行する方針だ。市によると、平日も含めた部活動の完全地域移行は政令市で初めてという。
コベカツでは地域の民間スポーツクラブや文化団体などが学校施設などを活用しながら平日・休日を一貫して運営。生徒は校区を越えて参加したい活動を選ぶことができる。
今年1~2月と6~7月にコベカツの運営団体を募集し、約1000団体が登録。ほとんどの地域で生徒が在籍する学校から自転車で移動できる範囲の近隣校で、現在部活動で取り組んでいる種目を選択できるようになった。昨年度小学4~6年生に実施したアンケートで人気上位だったダンスや料理、プログラミングなど多様な種目もある。活動頻度も多くが月1回~週5日とさまざまだ。
課題の一つとされるのが費用負担だ。現在は「学校徴収金」のうち月300円程度が部活に関する費用となっている。遠征などは別途負担してもらっているという。
コベカツではそれぞれの団体が月会費を定め、0~9000円と幅があり、平均は約3200円。市教委は、就学援助世帯など経済的に困窮する家庭への支援を検討している。
さらに、8日の市議会で福本靖教育長は「保護者負担の軽減について必要な予算の確保も含めて検討していきたい」と答弁。家庭の経済状況に関わらず。負担軽減策を検討していく方針を示した。
市教委は9月下旬にホームページで学校ごとに利用できるコベカツのクラブの登録状況が公表する予定。その後、市内の全中学1年生を対象に参加したい活動などのアンケートを実施し、結果を踏まえてニーズに応えられるようさらに調整を進める。【山田麻未】
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