
写真はイメージです New Africa/Shutterstock
<自分の耳の形が他人とは違うことに気付き、クローズアップ写真を投稿した男性。変形の原因について専門家からはいくつかの可能性が示された>
ある男性がSNSに投稿した、自身の「奇妙な形の耳」が話題になっており、掲示板サイトRedditでは3万7000件以上のアップボート(いいね)を獲得した。EducationalBus2231というユーザーは、自身の耳を撮影したクローズアップ写真を投稿。SNSでは、なぜこんなに「ギザギザした」不思議な形をしているのか、議論が盛り上がった。
■【写真】なぜこんなに「ギザギザ」? 奇妙な形をした「耳」の写真を投稿した男性が話題...「みんなそうだと...」
コメント欄では、ユーザーから次のような質問が出た。「子供の頃に耳を異常に酷使したことはある?(軟骨に小さな傷ができて治ったのかも。格闘家はそういうダメージによってカリフラワー耳になることが多い)」。
これに対して投稿者は「いや、耳にケガをした記憶は全くない。すごく小さい頃に耳がギザギザしていると感じたのを覚えている」と答えた。「子供の頃から気付いてはいたけれど、みんながそうじゃないとは思っていなかった」のだという。
この件についてロンドンにある形成外科専門の「カドガンクリニック」に勤務する形成外科医のハジム・サディディーンは本誌の取材に対し、こうした耳の変形には外傷が関係している可能性があると語った。
胎児期の外耳形成の問題や、後天的な原因も
「耳の皮膚は、その下にある軟骨の輪郭にぴったりと沿っている。耳の『へり』の部分に凹凸やギザギザがある場合、それは通常、軟骨の形状や構造に変化があることを示している」とサディディーンは説明し、「これは外傷や、過去の耳の感染症の影響で起きることがある。局所的な変形や傷跡が残る場合があるからだ」と続けた。
サディディーンによればギザギザの耳は、(骨や軟骨、皮膚などの)結合組織の異常によっても見られることがあるという。たとえば、エーラス・ダンロス症候群などの疾患では、コラーゲンの不足により皮膚や軟骨が柔らかくなって変形が生じることがある。
サディディーンと同じクリニックで皮膚科医を務めるスーザン・メイヨウ医師は、別の可能性を指摘する。「一部の人は出生前の軟骨の形成にわずかな違いがあり、それによって耳の輪郭が不規則になることがある」
「胎児期に外耳は小さな複数の隆起が合わさることで形成される。この癒合が不均一な形で起きると、耳の縁に小さな切れ込み、ひだ、ギザギザした隆起が生じることがある。これらは通常は無害で、見た目の問題でしかなく、聴力や健康には影響しない」
また、常に体の同じ側を下にして寝る習慣があると、後天的に耳にギザギザが生じることもあるという。
「これは、強い痛みを伴う『結節性耳輪軟骨皮膚炎(Chondrodermatitis nodularis helicis)』と呼ばれる軟骨の炎症を引き起こす可能性がある。また、紫外線によるダメージが原因となる場合もある。繰り返し紫外線にさらされることで『日光角化症』が生じ、不規則でカサカサした輪郭になることがある」
「ウサギが耳をかじっていった」「ハサミを持つ手が...」
メイヨウは、耳に突然ギザギザができて痛みがある場合は、炎症や感染症、悪性腫瘍の可能性がないかを調べるため皮膚科を受診するよう勧めている。
EducationalBus2231が投稿した写真には多くの人が反応し、自身の体験談や独自の推論をコメントとして残した。
「あなたが赤ちゃんのとき、ハサミを持つ親の手が震えてたんだろう」「うちの親は『赤ちゃんの頃に芝生の上に寝かせたらウサギが耳をかじっていった』と、よく冗談を言ってた。私の子供も、4人のうち2人は耳の縁が滑らかだが、2人は『かじられた』ようだ」
「出生時に鉗子(かんし)を使ったのかもしれない。私は(医者が鉗子を使ったことで)耳の一部が欠けた」というコメントもあれば、「子供の頃、耳を後ろに固定する整形手術を受けた。医師は『これは胎内で起きたことが原因』と言っていた。(胎児のときに)耳がうまく形成されず、折り畳まれなかったらしい」
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