香椎浜の岩礁に舞い降りる絶滅危惧種のクロツラヘラサギ(中央上)。左下はアオサギ=福岡市東区で2025年11月8日、野田武撮影
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 博多湾に近い福岡市東区の多々良(たたら)川流域や香椎浜などに、今年も「冬の使者」、絶滅危惧種のクロツラヘラサギが飛来し、純白の美しい翼を見せている。

 トキ科の渡り鳥で全長約75センチ。名前の通りの黒い顔と、細長いヘラのようなクチバシが特徴だ。東アジアのみに生息し、朝鮮半島北西部や中国で繁殖する。

絶滅危惧種のクロツラヘラサギや近似種のヘラサギが飛来している香椎浜の岩礁=福岡市東区で2025年11月8日、野田武撮影
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 保護活動を続ける環境NPO「ふくおか湿地保全研究会」の服部卓朗代表は「今年は夏と秋の猛暑の影響か、渡り鳥の行動パターンがいつもと違う。鳥たちも戸惑っているのかもしれない」と話す。例年は多々良川の下流域をねぐらにする場合が多いが、今年は香椎浜の岩礁帯に集中する傾向が見られるという。

 8日には近似種のヘラサギを含めた30羽の群れが周辺で確認された。

 この時期に飛来した個体はしばらく羽を休めた後、さらに南の熊本や鹿児島の越冬地を目指す。12月には博多湾で越冬する群れもそろうという。【野田武】

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