博多湾に近い福岡市東区の多々良(たたら)川流域や香椎浜などに、今年も「冬の使者」、絶滅危惧種のクロツラヘラサギが飛来し、純白の美しい翼を見せている。
トキ科の渡り鳥で全長約75センチ。名前の通りの黒い顔と、細長いヘラのようなクチバシが特徴だ。東アジアのみに生息し、朝鮮半島北西部や中国で繁殖する。
保護活動を続ける環境NPO「ふくおか湿地保全研究会」の服部卓朗代表は「今年は夏と秋の猛暑の影響か、渡り鳥の行動パターンがいつもと違う。鳥たちも戸惑っているのかもしれない」と話す。例年は多々良川の下流域をねぐらにする場合が多いが、今年は香椎浜の岩礁帯に集中する傾向が見られるという。
8日には近似種のヘラサギを含めた30羽の群れが周辺で確認された。
この時期に飛来した個体はしばらく羽を休めた後、さらに南の熊本や鹿児島の越冬地を目指す。12月には博多湾で越冬する群れもそろうという。【野田武】
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。