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<這う、跳ねる、ひねる...動物のような動きが、人間の体を根本から鍛え直す>

日本でも定着した「自重トレーニング」。その伝道者で元囚人、キャリステニクス研究の第一人者ポール・ウェイドによる『プリズナートレーニング 実戦!!! スピード&瞬発力編 爆発的な強さを手に入れる無敵の自重筋トレ』(CEメディアハウス)の「BONUS SECTION 2 アニマルアジリティドリル」より「ベアウォーク」「イナゴジャンプ」「カニ歩き」など一部編集・抜粋。


◇ ◇ ◇

スピード、パワー、アジリティ能力をテーマにした自重力の本に珍しい動作が含まれていなかったら本物じゃない。アニマルアジリティドリルだ。

この2つ目のボーナスセクションでは、10種類の動物の動きを紹介している。大部分は両手両足を使って這う動作になる。

しかし、二足歩行で、あるいはぶら下がって行うエクササイズもある。動物の動きにはいろいろあるが、その大部分は、これらのエクササイズに少し手を加えたバリエーションになる(動作を自由に組み合わせて、新種の動物をつくるのも一興だ)。

各ドリルは、前方、後方、横方向に向かうことで、筋肉の働かせ方が完全に異なるものになる。つまり、少なくとも30種類の動作がここにある。動物の動作を模倣することで、筋力と健康的な体をつくる。それは、新しい考え方ではない。

この類の訓練は古代クンフーの動きにも確認できるが、たぶん、もっと古いものだろう。旧石器時代の洞窟壁画の中に、男が動物の姿を真似ているものがあるからだ。

アニマルドリルは本物の「ワイルドカード」であり、パワートレーニングだけでなく、筋力トレーニングに加えるべきX ファクターになる。

ジャンプ、プッシュアップ、プルアップなどのエクササイズには直線的な動きが多い。体が上がり、そして下がる、といった具合に。

一方、アニマルドリルには、体を左右非対称に動作させるものが多い。片方の脚や腕を先行させて体を横に向かせたり、ねじる力にさらしたりする。

それが、体幹や腰帯/肩帯を縦横に走る小さな筋肉を発達させ、筋力を高め、動作を効率的なものにする。また、ケガをするリスクを減らすためにも役立つ。このタイプの動作は、全身にある筋肉の整合性と俊敏性を促すものにもなる。


アニマルドリルをワークアウトの途中に、1つ(または2つ。3つでも)放り込めば気分転換になるし、ワークアウトにバラエティを持ち込むことができる。ウォーミングアップやフィニッシュ動作としてもうまく機能するだろう。

レップを数えるのは難しいので、筋肉の動きや、伸長したり収縮したりする筋肉の動きに集中してほしい。いい感じに体が温かくなるまでやるだけだ。

経験的に言えるのは、軽やかで弾力的な動きを保てる段階でやめることだ。持久力エクササイズではないからだ。

疲れ果てて泣きたくなるまで、あるいは、死にたくなるまで続けるものではない。ジェリー・ルイスのチャリティ番組『レイバーディ・テレソン』じゃないんだから。

ベアウォーク

『プリズナートレーニング 実戦!!! スピード&瞬発力編 爆発的な強さを手に入れる無敵の自重筋トレ』354頁

初心者にとってもやりやすい両手両足歩行だ。脚は曲げてもいいが、腕をまっすぐに保ち、脊柱をあまり丸めずに尻を空中高く保つ。そのまま進め──それだけで、腕、腹筋、および胸を鍛える優れたトレーニングになる。前かがみになる姿勢が、ハムストリングス、臀部、脊柱にも負荷をかける。

イナゴジャンプ

『プリズナートレーニング 実戦!!! スピード&瞬発力編 爆発的な強さを手に入れる無敵の自重筋トレ』357頁

全身を温めてくれるエクササイズ。脚を近づけたプッシュアップの姿勢になる。胸が地から10センチくらいのところにくるまで腕を曲げ、小さく跳ねて前方に着地する。

可能なら、そのまま手のひらとつま先以外を地に触れさせずに、部屋を横断する。わかりにくいかもしれないが、実際にやれば理解できるだろう。このエクササイズは、他のキャリステニクス技術と同じようにインドで人気があった。

インド人のヨギ、B.K.S アイアンガーが『ライト・オン・ヨガ』で言及したことで、60年代以降の西洋世界でも人気が出た。

カニ歩き

『プリズナートレーニング 実戦!!! スピード&瞬発力編 爆発的な強さを手に入れる無敵の自重筋トレ』358頁

仰向けになってやるため、重要度が高いドリルになる。このスタイルで「歩く」と、背中の筋肉、特に肩甲骨周りの筋肉を刺激するからだ。

上腕三頭筋にも大きな負荷がかかる。上半身をまっすぐにし続けることが、体幹の筋肉に試練を課す。

カニ歩きは、アニマルドリルが、前方、後方、横方向に向かえるものであることを思い出させてくれる──もちろん、斜め方向に向かうのも楽しい。

それぞれの方向は、まったく異なった感覚をもたらす。より高度なバージョンは、ブリッジホールドしたままの「カニ歩き」だ。

ポール・ウェイド(PAUL "COACH" WADE)
元囚人にして、すべての自重筋トレの源流にあるキャリステニクス研究の第一人者。1979年にサン・クエンティン州立刑務所に収監され、その後の23年間のうちの19年間を、アンゴラ(別名ザ・ファーム)やマリオン(ザ・ヘルホール)など、アメリカでもっともタフな監獄の中で暮らす。監獄でサバイブするため、肉体を極限まで強靭にするキャリステニクスを研究・実践、〝コンビクト・コンディショニング・システム〟として体系化。監獄内でエントレナドール(スペイン語で〝コーチ〟を意味する)と呼ばれるまでになる。自重筋トレの世界でバイブルとなった本書はアメリカでベストセラーになっているが、彼の素顔は謎に包まれている。

 『プリズナートレーニング 実戦!!! スピード&瞬発力編 爆発的な強さを手に入れる無敵の自重筋トレ』

  ポール・ウェイド [著]/山田 雅久 [訳]
  CEメディアハウス[刊]

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