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<水がなくても数日間は生きられるが、監獄でそんなことをするやつはいない...>
日本でも定着した「自重トレーニング」。その伝道者で元囚人、キャリステニクス研究の第一人者ポール・ウェイドによる『プリズナートレーニング 超絶!! グリップ&関節編 永遠の強さを手に入れる最凶の自重筋トレ』(CEメディアハウス)の「CHAPTER 19 ザ・監獄ダイエット」より一部編集・抜粋。
◇ ◇ ◇
蛇口から水を
人間にとってもっとも大切なのは酸素だ。次が水。食べ物はかなり離れて3番目に来る。食べ物がなくても数週間、水がなくても数日間は生きられる。
しかし、空気がなければ数分しかもたない。サプリメント会社は自社の商品こそアスリートにとってもっとも大切なものだと言うが、それは違う。肺をきれいにして酸素をスムーズに取り込むことが、もっとも大切なことだ。その次に大切なのが、水だ。
水分をどう取るかは、複雑になったもうひとつの分野と言える。単に生きながらえるだけでも、頻繁な水分補給が必要になる。
アルコールのような毒や、海水のように嘔吐を催させるものでなければ、どこから水分を取ろうと問題にはならない。
コーヒーがいい例だ。利尿作用があるため、コーヒーを飲むと脱水すると多くの人が考えている。確かに、コーヒーを飲むと腎臓が軽度の刺激を受けてトイレに行きたくなる。
しかし、コーヒーを飲んで取り込んだ水分は、排尿で失う分より多い。だから、コーヒーを飲めば水分を補給していることになる。
昔から親しまれてきた水道水は、現在、マーケティング・プロパガンダの攻撃を受けている。最初に出所した時にびっくりしたことがある。小さくて高価な水のボトルを、誰もが後生大事に持ち歩いていたからだ。
監獄でそんなことをするやつはいない。のどが渇いた時、アルプスやミネラルバランスがいいどこかの泉から汲んできた水を飲みたいと考えることはない。
そんな変わり者がいても、そもそも買う場所がない。のどが渇いた時は、蛇口から飲むのが常識だ。でなきゃ、干からびてしまう。
水道水の中に入っている不純物を気にする人は多いし、確かに、水道水には不純物が含まれている。しかし、殺菌してからボトル詰めにする水だってそうだ。
人類が水を飲んできた歴史を通じて、不純物はいつも入っていたし、これからもそうだろう。だがそれは、人々が主張するほどの問題ではない。
人の体は何百万年もかけて進化してきたものであり、そのほとんどの期間、わたしたちは、沼、河、小川、水たまりや獲物の血から水分を取ってきた。
入ってきた水分を濾過し、必要な成分を吸収する力が、わたしたちの体には備わっている。
アメリカの水道水の質は世界でも清潔で安全な部類に入るし、1ガロン(約3.8リットル)につき1セントという安さだ。利用しない手はない。
ポール・ウェイド(PAUL"COACH" WADE)
元囚人にして、すべての自重筋トレの源流にあるキャリステニクス研究の第一人者。1979年にサン・クエンティン州立刑務所に収監され、その後の23年間のうちの19年間を、アンゴラ(別名ザ・ファーム)やマリオン(ザ・ヘルホール)など、アメリカでもっともタフな監獄の中で暮らす。監獄でサバイブするため、肉体を極限まで強靭にするキャリステニクスを研究・実践、〝コンビクト・コンディショニング・システム〟として体系化。監獄内でエントレナドール(スペイン語で〝コーチ〟を意味する)と呼ばれるまでになる。自重筋トレの世界でバイブルとなった本書はアメリカでベストセラーになっているが、彼の素顔は謎に包まれている。

『プリズナートレーニング 超絶!! グリップ&関節編 永遠の強さを手に入れる最凶の自重筋トレ』
ポール・ウェイド [著]/山田雅久 [訳]
CEメディアハウス[刊]
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